カテゴリ:Entertaiments( 5 )

BROOKLYN THE MUSICAL ~ 魅せる「歌」

さて、42ndとBlue Man Groupの後もちょこちょことミュージカルには行っており、Mamma Mia!, Chicago, MOVIN' OUTなども見ているので、本当はそちらの方から先にレポートすべきなのだろうけど、この週末に見たBROOKLYN THE MUSICALの印象がとても強かったので、忘れないうちに、ごく簡単に、紹介しておきたい。

"BROOKLYN THE MUSICAL"というのは、その名の通り、マンハッタンの南東に位置するブルックリンを舞台にしたミュージカルで、SINGERの女の子がBROOKLYNというキーワードだけを頼りに父親を探しにいく・・・というお話自体は、正直、どうでもいい。(しかも、ラップなみのスラングだらけマシンガン・トークは、とてもNY在住3か月の耳には追えない・・・)

このショーの凄みは、一にも二にも、その「歌」にある。
まず圧倒されるのは、その歌唱力。特に BROOKLYN(主人公の名前にもなっている)役とPARADISE(BROOKLYNのライバル?の黒人シンガー)役の二人の歌唱力は、圧倒的なものがある。
声量の大きさ、音域の広さは言うに及ばず、それ以上に目を見張るのがリズム感と表現力・・・同じメロディーでも場面に応じて、違う色彩を帯びる。
そして、ともすれば歌唱力の影に隠れてしまいそうになるけれども、楽曲のセンスもすばらしい・・・ジャズ、ロック、R&B、ラップ色々な音楽の要素が織り込まれながら、根底のところでメロディのPOPさや、楽曲の統一性が失われていない、巧みなバランス・・・直接の関連性はないのだけど、不思議とCAMELを想起させる・・・(この喩えの方が分かりにくいか、普通・・・)
ともかく、個人的にこの楽曲スタイルは物凄く「つぼ」で、休憩なしの1時間半以上のショーが、本当に短く感じた。

そうそう、見所は歌ばかりではない。ネタバレになるのでやめておくけど、衣装、特にBROOKLYNとPARADISEのMSGでの対決の衣装は見物。かなり笑えることは間違いない。

BROOKLYNは、始まったばかり(実のところ10/25まではPreview状態)で、まだ、そんなに知られているわけではないかも知れないけど、この「歌」は一見(一聴?)の価値はある。機会があれば、是非見て欲しい。

P.S. ちなみにホームページでは、使われている楽曲の中から4曲が試聴できる。どの曲のお薦めだけど・・・まずは、テーマ曲的に使われているONECE UPON A TIMEかな?・・・うーん、でもStreetsingerもいいし・・・まあ、とにかく聞いてみて欲しい。
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by 47th | 2004-10-19 07:42 | Entertaiments

RUSH(2)

写真で見たことのあるRADIO CITY HALLは、何だか多分昔からのファン(何せ30周年だから)のお年を召した方から、DREAM THEATERのT-シャツを着た長髪の見るからにメタル兄ちゃんまで色々な人々で溢れかえっていた・・・しかし、あれほどNYではどこに言ってもみかける「日本人」は、その日のRADIO CITYでは全然見かけなかった。

 コンサートは30周年記念というに相応しいRUSH MUSICの集大成。本当にここ何年も聞いていなくても、体が覚えているというのはこのことで、”2112”や”MOVING PICTURES”の曲に、自然と体が反応する。個人的に嬉しかったのは、昔聞き込んだ”COUNTER PARTS”から”Animate me”をやってくれたこと(ただ、サウンド・プロダクションが今ひとつで音がこもり気味だったのが残念・・・)。
 見所は色々あったが、圧巻だったのはニール・パートのドラム。コージー・パウエルこそ実物を見ることはできなかったものの(→痛恨・・・)、上手いと言われるドラマーは色々見てきた。でも、ニール・パートには参った。「手数王」とは、よく言ったものだ。ずらりと並んだタムやシンバル、カウベル(カウベルだけで何種類も用意するかな、普通・・・)、シンセパッドを、時には両手を交差させ、信じられないような正確さとスピードで叩いていくのを見ていると、本当に手が4,5本あるんじゃないかという気がしてくる。それ以上に凄いのは、その緩急自在のリズム感と構成力。
 凄く極端な言い方をすれば、ロック系のドラマーの多くは「生きたリズム・マシン」で、こういうタイプのドラマーは曲のバックでドラムを叩いているうちはいいものの、ドラム・ソロなんかやらせた日には、見ている方からすると、その間にもう1曲やってくれ、という感じになる(典型は、日本でも(だけ?)人気があったMr.何某かのドラマー・・・バンドとしては、凄く好きだけど、あのドラム・ソロは・・・ベーシストが芸達者なだけに余計そのつまらなさが際立ってしまう・・・それ以前にリズム・マシンとしても×なドラマーもいるけど・・・)。けれども、ごくまれに打楽器であるドラムだけで、一つの音楽を成り立たせてしまうことのできるリズム・マスターとでも呼ぶべき存在がいる。こういうドラマーに共通しているのは、スネア一つの緩急と強弱だけで観客をひきつけることができるということ(THIN LIZZYのブライアン・ダウニーがそうだった)。
 ニール・パートは手数で勝負したかと思えば、一転、スネア一つで勝負する。どんな場でもてんで勝手にしゃべりまくるNYの観客が、この時だけは固唾を飲んでニールのドラム・ソロに魅入っていたのが印象的だった。

 NYに来て、コンサートのスケジュールをチェックすると、本当に驚く。マンハッタンではなかったのであきらめたけど、同じ頃ロングアイランドではDEEP PURPLE / THIN LIZZY / Joe Satorianiなんていう信じられないようなカップリングのコンサートが行われていたし(PURPLEにリッチーかジョンのどちらかがいれば、万難排して行ったかも知れないが、二人ともいないPURPLEって・・・)、他にもUFO, Michael Schenker (同じような時期にNYでやるとは。。。喧嘩とか起きなきゃいいけど), Kip Winger, TWISTED SISTER (まだ生きてたんだ・・・), FOGHAT (!!), Johnny Winter, YES, HEART, Motorhead, Dio, Anthrax, Monster Magnet, Lynch Mob, KANSAS・・・日本では消息もよく分からないアーティストたちが頻繁にライブをやっている(ここに挙げた名前が全て分かったら、大したものです)。

 そして、何よりも、ぼくのMost Favoriteを5本挙げろと言われたら、THIN LIZZYと並んで絶対に外れることのない、Francis Dunnery・・・本物を見ることはできないかも知れないと半ばあきらめていた彼もまたNYでライブをやっていた。
 チェルシーのさびれたライブハウスで、30人ほどの観客を相手に歌うフランシス・・・大げさかも知れないが、それだけでもNYに来た意味があったような気がした・・・その話はまた今度。
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by 47th | 2004-10-15 13:03 | Entertaiments

RUSH(1)

 日本での海外アーティストのライブというのは、今やそれほど珍しくはない。TOP40入りしたアーティストのアルバムは日本でも殆どタイムラグなく発売され、来日公演もすぐに企画される。
 東京では、いつでもどこかで「来日公演」が開かれている。
 でも、それでも日本では絶対に見ることのできないアーティストというのは存在する。
 その一つがカナダ出身のトリオ・ロック・バンド”RUSH”だ。
 “RUSH”を初めて聞いたのは、高校時代、バンドを一緒に組んでいた友達の下宿で、「今度これをやろうぜ」と言って聞かされたときだった。やたら音数が多くテクニカルな演奏に「人数が足りない」と言って却下しようとしたぼくに向かって、天然パーマが爆発した怪しいベーシストは「大丈夫、これ3人でやってるから、しかもライブで」とにやりと微笑んだ。哲学的で韻を含んだ歌詞を歌いあげながら、右手で開放弦を使ったベースラインを操り、左手でキーボードを叩き、足元ではシンセ・ペダルを踏むゲディ・リーが「蛸男」と呼ばれるのを知ったのは後のことだ。
 けれども、黒板を爪で引っかいたときの音に似ていなくもないゲディ・リーの独特なハイトーン・ボイスと、一体どこが小節の区切りなのか分からない変拍子は、LAメタルをこよなく愛する早弾き命のギター少年には難しすぎた。
 “RUSH”を再発見したのは、気がつくとKING CRIMSONの”RED”を口ずさみ、P.F.M.なんていうイタリアのバンドのフルネームをすらすらと言えるようになった大学時代だった。
 でも、既にその頃にはRUSHは日本に来ない、というのは定説になっていた。理由については、1984年の一度だけの来日公演でのレンタル機材がお気に召さなかったという説がどうも強いらしいけど、ともかく以後噂はあれど来日公演は実現していない。
 そのRUSHがNYのRADIO CITY MUSIC HALLでバンド結成30周年記念のコンサートを行うことを知ったのは偶然だった。観光名所としても有名なRADIO CITYの前を通ったときに見た”RUSH”という文字。一度通り過ぎたところを戻って確認したけど、やっぱり”RUSH”・・・
 TICKETMASTERでチェックして、ややお高めながらチケットを入手・・・と、言いたいところだが、これがまた一苦労。
アメリカに来たばかりで、ドル建てのカードをまだ持っていなかったので、日本のカードで決済しようとすると、住所が違うので決済できない・・・
またまたカスタマーサービスに電話して(・・・なんかこういうことが前にもあったような・・・)、ごちゃごちゃとした結果、直接ボックス・オフィスにパスポートとクレジット・カードを持ってとりに行けということで落ち着いて・・・?ん、それって、ネットでとった意味がないんじゃないか?・・・
まあ、そうやって何やかやでチケットを手に入れて、当日、気合いを入れていざRADIOCITYへ!・・・・cont'd
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by 47th | 2004-10-14 12:59 | Entertaiments

伝統vs革新- 42nd Street & Blue Man Group

今日は最近見に行った二つのミュージカルの話を簡単に。
一つは、最近日本でも上演された”42nd Street”、そして、もう一つはオフ・ブロードウェイながら、斬新な演出でNYで話題になっている”Blue Man Group”

42nd Street”は、1980年に初演を迎えて以来、コーラス・ラインに続くロングラン記録を持つミュージカルの王道。いわゆるバックステージもので、端役の若手女優がスターの座に上りつめるという典型的なアメリカン・ドリームの話。
a0037968_12161073.jpg本来なら余りぼくのテイストではないのだけど、来年の1月に公演が終わるということと、TKTS(当日券をdiscount rateで販売するスポット)で半額で売っていたので、まあ話のタネにということで。

これに対して、”Blue Man Group”は、その名のとおり顔を青く塗った3人の男たちが繰り広げる前衛的なPerformanceとMusicが、こちらでは絶賛されている。ポンチョの着用が必須とされている前方の席は入手困難とされていて、TKTSではまず見ない・・・が、今回は平日にBox Officeまで出かけた妻の粘り勝ちで、日曜日の5時台のショーの前から4列目、Poncho SeatをGet!

なるほど、”Blue Man Group”は、ミュージカルというよりもテレビのバラエティショー的な要素を多分に採り入れたentertainment showで、台詞を一切しゃべらないBlue Man Groupのコミカルな表情とアクションで、まさに子供でも笑えて楽しめる。(もっとも、Ozzy Osbourne のCrazy Trainを使ったコント(?)は、マニアックすぎたらしく、周りでうけていたのはぼくだけだった・・・あと、日本的な基準でいうと、ちょっと「品がない」ところもあったが、まあアメリカンコメディということで・・・)
ライブと予め撮影しておいた素材を組み合わせた演出も、なかなか唸らせるものがあった。(たとえば、ステージからBlue Manたちが走り去ると、ステージ上のモニターにバックステージの中継画像が映し出されたりする。)
トイレットペーパーや洗濯機のホースが、ブラックライトやブルーライトの光を受けて、非日常的な幻想的な情景を創り上げる、その発想にもおそれいったし、各方面から絶賛されるのも納得がいった。

でも、そういう能書きをさておいて、純粋に楽しめたのは、といえば、まちがいなく”42nd Street”だった。
ストーリーはありきたり、ダンスや音楽もtraditional・・・でも、スピード感や躍動感、そして笑いの要素も含めて、その完成度が半端じゃない。
栄枯盛衰の激しいブロードウェイで20年以上も愛されてきたのには、それだけの理由があるということだろう。実際、他にもいろいろと見たいミュージカルはあるけれど、来年1月の閉幕までにもう一度見てみたいとすら思った。

”Blue Man Group”は、それなりに楽しめたし、話のタネにはいい。でも、もし時間がなくて、どちらか一つしか見れないのであれば、断然、”42nd Street”をお勧めしたい・・・え、cookin’とどっちか?・・・それは難しいけど、、来年1月までだし、ブロードウェイ原産ということで、今のところは、ハナ差で”42nd Street”にしておこう。
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by 47th | 2004-08-03 07:25 | Entertaiments

Cookin' (NANTA)

知っている人は知っていると思うのだが、ブロードウェイミュージカルにはオンブロードウェイとオフブロードウェイの二種類があり、その区別はブロードウェイ沿いの劇場でやっているかどうか、、、、ではなく、どうも客席の数によるらしい、というのは、遅ればせながらNYに来てから知った話だ。
そして、"Cookin'"はオフもオフ。タイムズスクェアを遙かに南に下って、NYUの近く、地下鉄の駅でいえばWest 4thの小さな劇場でやっているミュージカル。その上、韓国生まれ、というわけで、ぼくのNYでのミュージカル初体験は、いろんな意味で王道からは程遠いところから始まった。
a0037968_22403986.jpg
`Cookin'"は、元々「NANTA」という名前で3,4年前に日本でも公開されたミュージカルで、その名の通り厨房を舞台に、調理器具を楽器代わりに使って展開されるミュージカルだ。
劇場はガイドマップにも載っていない路地を入ったMINETTA LANE THATERという百席ぐらいの小さな劇場。なので、本当に客席と舞台が近い。そして、実際、劇中に客席から観客を引っ張ってきて舞台に上がってもらったり、観客とゴムボールの投げ合いがあったりする。これは、オフならではの魅力ということだろう。
そして、その狭い客席に対して、演じる方もたったの5人。1時間半ちかいショーを休みなく、5人、特にコックを演じる4人は殆ど出ずっぱりで包丁やしゃもじを振り回して、時には変幻自在のビートを打ち鳴らし、時には舞台の上を所狭しと駆け回り、香港映画を思わせる殺陣を演じる。
驚くのは、そのリズム感覚と正確性だ。クリックや指揮者なしで、あれだけ高速のテンポで正確にリズムを刻むのも相当のことなのに、それを時には包丁をスティックに、まな板をスネア代わりにリズムを刻む。見る方も固唾をのみつつ、いつの間にか瞬きも忘れてショーに引き込まれていく。
・・・でも、余りショーの内容を細かく話しても仕方がない。
ともかく、ぼくに関しては、cookin'は「当たり」だった。
この日も金曜日の夜なのに、まだ客席に空きはあった。当日、TKTSでディスカウントレートで手に入れられる可能性は高いので、チャンスがあれば、試しにどうぞ。
そうそう、このショーでは、実際に鉄板でコリアンBBQが作られるのだが、その匂いが食欲をくすぐる。
この辺りには遅くまでやっているレストランやカフェもあるので、そこでcookin'の余韻を楽しむのもいいかも知れない。
(ただ、おいしいコリアンBBQが食べたいなら34th Streetまで上がるべきだけど)
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by 47th | 2004-07-25 13:44 | Entertaiments